Number9は、孤児院の子供たちが安心して暮らし、自立できる環境を整えるため、支援者様にご協力いただきながら頑張っていますが、現地では様々な問題を抱えています。
■ 施設維持の問題
2022年現在、孤児院では24名の子どもたちが生活しています。1日3食のご飯、おやつ、日本語・英語教育、パソコン等の教育設備、 家賃などの生活費、スタッフの人件費等を合わせると、環境維持、運営に日本円で月70万〜多い時では100万円ほどは必要になります。
様々な活動で得た売上や、活動に賛同いただいた方の支援により、現在までなんとか賄ってきていますが、この先いつ何が起こるかわかりません。子供たちに容赦無く降りかかる「衣食住」の不安を払拭し、【安心】と【より良い生活環境】を継続して提供していかなければならないことを、強く感じています。
■ 建物移転の問題
子どもたちが暮らす孤児院は借家です。2019年1月に5年契約で契約を更新しましたが、その際、家賃は「倍」になりました。大家さんからは「5年後には契約の更新はしない」と言われています。不動産の価格が年々上がり続けるカンボジアにおいて、シェムリアップ市では比較的中心地に位置する孤児院がある土地も例外ではありません。
大家さんからは、より好条件で貸し出したい、売り出したい、という意向も伝えられました。残された時間は2年しかありません。この2年で孤児院の移動先を決め、彼らが安心して過ごせる場を新しく作ることも大きな課題です。
■就職先の問題
孤児院のあるシェムリアップ市の就職先は、ホテル、レストラン、旅行業界が大半を締めます。孤児院の卒業生も、これらの職業に就くケースがほとんどです。良い教育を受け、教養やスキルを身につけても「職業選択の自由」を得られない現状があります。
私たちは、子どもたちが夢を持ち、夢を仕事に出来るように、“チャンスを与える場”“チャンスを生かす場”を作っていきたいと考えています。
孤児院を卒業した後、カンボジアだけでなく、世界で活躍できる人材になれるよう願いを込め、希望する卒業生には「パスポート」を贈る活動も行っています。
孤児院の卒業生が、日本とカンボジアの架け橋として、世界とカンボジアの架け橋として活躍してくれることを願い、子供たちの就職先の問題にも取り組んでいます。